部下のやる気が成果を生み出す。モチベーションの根源

上司にとって、部下の『やる気』との戦いは常に頭を悩ます要因です。

部下のモチベーションの向上が、業績を上げる為には不可欠であることは誰もがわかっているのですが、とはいえなかなか簡単にはいかないのが正直なところです。

結論から言うと、部下の『やる気』を呼び起こすには、部下個人の実現したいことを明確にし自主性を促す事です。

その理由も含め、本記事では現代社会の部下の『やる気』について、部下個人が自発的に行動する為のモチベーションはどこから来るのか解説します。

部下がやる気になる為のモチベーション理解

時代によるモチベーションの変化

産業社会のモチベーション

少し前の産業時代、世の中の価値は物を作ることにありました。

企業の経営者は、従業員の労働力を物を産みだす動力として使い、労働者もそれにより収入を得て、生活を支えていました。

コストを下げ、より効率的に生産性をあげることが正しいとされていて、より生産性を高める為に正しい行動には報酬の見返りがあり、正しくない行動は正される。

それが企業と従業員の関係でした。

企業の生産性向上を図るオペレーションシステムはほとんどがこの考えにより構築され、企業が求める正しい行動こそが、報酬を増やし、自分たちの生活を豊かにする。

それがモチベーションになっていました。

現代社会のモチベーション

現在は物が溢れ、インターネットの普及によってビジネスも多様化し、単に物を作れば売れる時代ではありません。

労働者の働き方も多様化しており、以前のような企業側が求めるマニュアル的な行動に従えば生活が豊かになる時代でもありません。

働く場所の選択肢も広がっています。以前のような年功序列、終身雇用は崩壊し、一つの会社で末永く働くことが良しとされてた頃とは違い、一人ひとりが選べるわけです。

これまでになかった仕事がどんどん増えており、働き方に縛られることもなくなってます。

このような現代社会の労働者は、企業の目的の為にだけ働くとは限らず、自分自身が『何のために働くか』を考え、実現できる仕事がモチベーションになっています。

2つのモチベーション

仕事におけるモチベーションは、まずは生活を成り立たせるという基本的な所から始まります。

これがそもそも脅かされる環境、つまり賃金が安すぎることや、休日がほとんどなく常に疲労し続けている状態など、生活に支障をきたしている場合にはモチベーションがそこから上がることはないです。

こうした、生計を立てられるというのが前提にあり、満たされることにより高次のモチベーションになります。

会社で働く人の多くは2種類のモチベーションタイプのどちらかに当たります。

① 責任を負う事よりも安全であるほうを求め、報酬などが動機となる外発的動機タイプ

② 自分の能力を発揮したい、自ら進んでやりたいという主体的な内発的動機タイプ

①外発的動機タイプ

このタイプのモチベーションは、その仕事の活動から得られる評価や報酬など外発的動機を重要視しています。

このタイプの場合、自ら考え仕事を生み出すことは難しく、『この仕事はこのような手順で行ってください』等のマニュアルに従い、決まった答えに向かって仕事を実行していくことになります。

その為、企業側が期待する成果以上の結果を生み出す可能性は低く、想定できる範囲内の結果を出す為に部下に行動を求めます。

上司の多くが、求める水準の行動を実行してくれない部下に対してイライラを感じ、なんでやってくれないの?という気持ちになったことがあると思います。

上司が部下に対し、言われたことをしっかりやっているかを監視する。

それは、部下が行動そのものに動機があるわけではなく、外発的な動機、つまり仕事そのものを楽しむのではなく報酬や、評価が動機になっている為です。

②内発的動機タイプ

このタイプは反対に、アイデアや創意工夫し、自らがやっている仕事が動機になっています。

モチベーションは金銭や評価ではなく、その目的にあります。

やっている仕事そのものが動機になっているのです。

生計を脅かすような報酬は全ての人にとってモチベーションを下げる要因になります。

それが満たされる場合には、報酬はこのタイプにはマイナスの要素になる可能性があります。

つまり、やっている行動そのものが動機になっている人に対して、この仕事をやったらいくらあげるという交換条件は逆にその人のモチベーションを下げてしまうます。

そもそもが自らの意思で行動して、目的の為に思考し鍛錬するタイプの人です。

その人間に、他人から押し付けられた目的や報酬は、人の視野を狭め、焦点を絞ることになり、せっかくの創造性を失うことになります。

外発的動機の人には、目標や報酬は有効です。望んだ結果に集中させたいからです。

しかし、内発的動機の人には、多くの可能性やアイデアを狭めることになってしまいます。

これからのモチベーション

仕事には2つの種類があり、ルーチンワークのような決まったことを行うや、すでに答えがあるものに対して行うような仕事、わかりやすい例では、設計図がある物を組み立てるような製造ラインの仕事。

もう一つは、非ルーチンワークの答えがなく、創造性が必要とされる仕事です。

今後はこれまで以上に内発的動機によって働く人が求められていきます。

時代による仕事の変化

以前は多くの仕事が外発的動機によって成り立つ仕事でした。

しかし、製造業は向上を海外へ移し、レジ業務は機械が行うようになってきています。

一番安いコストでできる国へ委託したり、人間がやらなくてもコンピュータで自動化できるからです。

今後このような仕事はさらに代替されていくことでしょう。

現代は、逆に自動化が出来ない創造的な非ルーチンワークが増加しています。

その為、企業側も誰かからモチベーションを上げてもらう必要がある人よりも、外発的な動機だけではなく、同時に内発的に動機づけられた目的も最大化したいと思う人材を求めているのです。

また、企業だけではありません。

SNSをはじめ、個人が自身を表現する場や、自分がしたい生き方ができる時代です。

個人が自己の目的を実現できない環境であれば、働く場として企業も選ばれなくなっていきます。

内発的動機が必要な理由

内発的動機により動く人は、外発的動機により動く人よりも高い成果を出します。

そして離職率も低いです。

理由は

①内発的動機は見返りを求めていない

②内発的動機の目標は短期的なものではない

①内発的動機は見返りを求めていない

外発的動機が誰かの指示により行動し、見返りに報酬や評価を求めているのに対して、内発的動機は自らの意思で行動を決め、自主的に行動をしている。

つまり行動が好奇心からきており、誰に言われることなく自分がやりたいからやっているという事です。

そして、やればやるほど自分がやっていることに対してさらに上達したいという欲求が高まり、更にのめり込んで行きます。

自主的な行動が、その仕事に対しての理解を深め、生産性が上がることは容易に想像できると思います。

②内発的動機の目的は短期的なものではない

行動が向かう先は、単に直近の成果や生産性ではなく、自分にとってのより大きな目的の為に行われています。

外発的動機で行動する人は、豊かさを求めてより多くの報酬や評価を得ようとするようになります。

しかし、目標の報酬を得ても、常に不安や憂鬱と戦うことになるという研究結果があります。

それは、さらに高い目標を達成するために自分の中が報酬や評価でいっぱいになり、愛情やおもいやり配慮といった余裕が無くなり良好な人間関係が欠けてしまうからです。

人は一定の収入を超えると、幸福度は上がらないと言われています。

富の最大化が人生の活性化させる最大の要因にはならないという事です。

逆に人は、誰かの為や、社会の為に行動する時、大きな意義を感じます。

内発的動機では、自分の仕事が社会や誰かの為になることに意義を感じ、その目的の為に行動しています。

そして満足感や幸福感を高め、更なる行動に突き動かすのです。

内発的動機のモチベーションになるには

人間本来の性質に帰る

人は基本的には積極的であり、好奇心があり自発的であるはずです。

皆、子供の頃は自由に、思いつくままに行動していました。

しかし、ほとんどの人は本来持っている性質を、後天的に上書きされていきます。

学校で周囲との関わりを学び、人と違う事は良くない事と植え付けられてしまいます。

そうしていくと、自分の考えをはっきり伝えることをやめていきます。

誰かに指示してもらわないと行動できなくなってしまうのです。

これは産業時代の働き方が全ての時代に、企業の望む行動を皆が行うことが生産的で、世の中を良くするといった考えが前提として教育がされていたためです。

しかし、それとは裏腹に求められている人材は変わってきています。

企業は仕事の中で、人間が本来持っている好奇心旺盛で、自発的であり創造性を生み出す環境を作り、学校で学んだことから人間本来の性質に帰る場所にしなくてはなりません。

内発的動機を生み出す環境

基本的な報酬

前提として、基本的な報酬を満たすことが必要です。

これが満たせなければ、モチベーションは上がりません。

基本的な報酬とは、公平な報酬という事です。

同業種の近い仕事と比較した際に、自分が置かれている仕事の報酬が著しく低い場合に不満に感じるのは当然です。

重要な事は報酬の事は意識しなくても良い環境であるという事です。

自主性を促す

企業では一般的にマネジメントが実施されているが、実態は自主性がない物であることが多いです。

例えば、権限委譲と言いつつ個人に決定権がなく、企業で決まっていることの中の一部分を切り取っただけのコントロールです。

これはすでに答えがある中で、その中のほんの一部を分け与える形で、それは自主性とはほど遠いです。

自主性を促す環境は、『いつ』『何を』『誰と』『どのように』に対して緩和する、もしくは個人が決める事です。

ノマドワーカーは時間や、人に縛られることなく働いています。また、オフィスを持たないリモートワークも場所や時間に縛られません。

また、就業時間の20%は自分のやりたい仕事に充てるという取り組みをしている企業もあります。

『何を』『誰と』『どのように』を自由に考え、それがよいアイデアや成果に繋がってます。

個人がその仕事自体に自主性を持っている時、自然と良いアイデア、成果を生み出します。

企業が目的を持つ

企業全体のみならず、その中の一部の組織においても、目的を持たなくてはなりません。

ここで言う目的とは、利益ではありません。

利益そのものはその組織の目的にはならず、その組織で働く人の内発的動機にはなりません。

報酬や利益、評価ではない、その組織が果たす社会的意義や誰かにとって役に立つ意義を持ち、働く人がより大きな目的の為に働けるようにしなくてはなりません。

また、共に働くメンバーとの関係性も重要です。

同じ目的を共有し、同じ目的を実現する仲間であることは、良い人間関係を構築し、目的や行動以外の事に対し無駄な神経を使うことを回避できます。

まとめ

今回は部下の『やる気』を刺激し、モチベーション高く取り組むことで仕事の成果が高まるというテーマでお伝えしました。

人間本来が持つ、好奇心があり自発的であること。それをいかに組織で引き出し、内発的動機で行動するようになるかを考えていくことが大事です。

部下個人が仕事を通じて人生の目的を実現していく。そのような組織を作っていくことが成果を生み出す組織となります。

少しでも多くの組織がそうあってほしいと願います。

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