「インキュベーション施設はどんな施設なの？」
そのような疑問を持っているのではないでしょうか？
起業や事業拡大をするにあたって、インキュベーション施設を耳にするが内容が分からない方もいますよね。
当記事はそのような疑問を持っている方に向けて、インキュベーション施設の概要について解説します。
インキュベーション施設のメリット・デメリットや自治体別施設一覧も紹介するので、インキュベーション施設に興味ある方はぜひ参考にしてみてください。
インキュベーション施設とは
インキュベーション施設とは、これから起業する方の事業拡大や事業成功を支援する目的とした施設です。
通常より安い賃料でオフィスを提供したり、事業立ち上げの詳しい専門家（インキュベーションマネージャー）によるサポートを提供します。
インキュベーション施設は自治体や中小機構などが展開しているため、地域や事業内容に合わせて選べるでしょう。
インキュベーション施設で受けられる支援とは
インキュベーション施設で受けられる支援は、以下の通りです。
- 経営に関するサポート
- 人的補強のサポート
- 他経営者とのビジネスマッチング
- 低賃料でのオフィス提供
- 設備やシステムの提供
インキュベーション施設の主な支援は、インキュベーションマネージャーからアドバイス・サポートを受けられることです。
経営に関するアドバイスだけでなく、人的補強をどうすべきか・資金の作り方など経営に必要な知識を得られます。
さらに他経営者とのビジネスマッチングもしてくれ、起業家向けセミナーや交流会などに参加可能です。
またインキュベーションは通常より安い賃料でオフィスを提供してくれ、なかの設備やシステムも整っています。
起業するにはオフィスや設備を一から揃える必要がありますが、多額の費用がかかるためインキュベーション施設を利用すると開業費を抑えることが可能。
研究や製造に関わる事業なら、設備が揃っている実験室や工場を安い賃料で借りることができます。
インキュベーション施設はさまざまな事業に合わせたオフィスや設備を用意しているので、これから起業する方や費用を抑えたい方におすすめです。
インキュベーション施設を利用する3つのメリット
インキュベーション施設を利用すると、3つのメリットが得られます。
インキュベーション施設を利用するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
オフィスの利用料や賃料が安い
インキュベーション施設は、オフィスの利用料や賃料を通常より安く借りられます。
立地や広さにもよりますが、1ヶ月の家賃相場は30,000～50,000円程度でしょう。
インキュベーション施設は設備や環境が整っているため、利用料や家賃以外に費用はかかりません。
家賃など固定費を抑えたい方は、インキュベーション施設の利用がおすすめです。
専門家のサポートを受けられる
インキュベーション施設は、インキュベーションマネージャーから経営に関する幅広いアドバイスを受けられます。
事業拡大や事業成功には経営ノウハウだけでなく、法律・お金・人脈などの知識が必要です。
初めて起業する方は事業成功のための知識が少なく不安になりやすいため、インキュベーションマネージャーからサポートを受けられるのは大きなメリットでしょう。
設備や環境が整っている
インキュベーション施設には設備や環境が整っているため、レンタル料や賃料のほかに大きな出費がかかりません。
事業内容によって会議室などを利用できるほか、研究室なら細かな道具など実験に必要な設備や環境が用意されています。
しかしインキュベーション施設によって設備や環境が異なるので、利用する際は必要なものが揃っているか確認しましょう。
インキュベーション施設は自治体だけでなく大学や企業が展開しているものもあるので、調査すると自分に合う施設が見つかるはずです。
インキュベーション施設を利用する2つのデメリット
起業にあたってメリットが多いインキュベーション施設ですが、2つのデメリットがあります。
上記のデメリットはインキュベーション施設によって異なるので、参考程度にご覧ください。
オフィスの自由度が低い
インキュベーション施設はレンタル形式で施設を提供するサービスなので、レイアウトの変更などができず自由度が低いです。
細かなものを追加するなど事業に必要であれば可能ですが、壁紙を変えるなど大きな変更は拒否される可能性が高いでしょう。
そのため起業者の好みや事業内容に合わせて大幅なレイアウトを希望する方は、インキュベーション施設を不便に感じるかもしれません。
入居手続きが難しい
インキュベーション施設はレンタルオフィスとは違い専門家のサポート・アドバイスを受けられるサービスもあるため、入居手続きが難しい点がデメリットです。
入居手続きは書類作成・提出のほかに、事前面接や審査など手順が多くあります。
そのほか事業計画書の提出もあるので、スムーズにオフィスを借りたい方はデメリットに感じるかもしれません。
インキュベーション施設の利用にかかる費用
インキュベーション施設の利用にかかる費用は主に賃料で、運営施設が自治体か民間企業かで基本料金が異なります。
自治体が運営するインキュベーション施設は1㎡あたり2,500〜3,000円、民間企業は1㎡あたり約10,000〜15,000円と大きな差です。
また個室や固定席などスペースの特徴によって料金が異なるので、予算内のインキュベーション施設を探しましょう。
さらに自治体のインキュベーション施設は企業より安い賃料で提供しているため、費用を安く抑えたい方は自治体のインキュベーション施設がおすすめです。
インキュベーション施設の利用方法
インキュベーション施設を利用する方法は、利用したい施設に申請をします。
申請をしたあとは面談や審査が行われ、全てをクリアすると利用可能です。
しかしインキュベーション施設の利用審査は自治体や企業によって異なり、事業計画書の内容によっては審査が通らない可能性もあるでしょう。
審査が通らなかったからといって全てが利用不可なわけではないので、インキュベーション施設を利用する際は数件申し込むことをおすすめします。
自治体別インキュベーション施設一覧表
自治体別のインキュベーション施設を紹介します。
| 地域 | インキュベーション施設名 |
| 北海道・東北 | ・北大ビジネス・スプリング・東北大学連携ビジネスインキュベータ |
| 関東 | ・東大柏ベンチャープラザ・東工大横浜ベンチャープラザ・慶應藤沢イノベーションビレッジ・ベンチャープラザ船橋・千葉大亥鼻イノベーションプラザ・和光理研インキュベーションプラザ・農工大・多摩小金井ベンチャーポート |
| 中部・北陸 | ・浜松イノベーションキューブ・クリエイション・コア名古屋・名古屋医工連携インキュベータ・いしかわ大学連携インキュベータ |
| 近畿 | ・立命館大学BKCインキュベータ・D-egg（同志社大学連携型起業家育成施設）・ 京大桂ベンチャープラザ・クリエイション・コア京都御車・神戸医療機器開発センター・神戸健康産業開発センター］・彩都バイオインキュベータ ・彩都バイオイノベーションセンター ・クリエイション・コア東大阪 |
| 中国・九州 | ・岡山大インキュベータ・福岡システムLSI総合開発センター ・クリエイション・コア福岡・ くまもと大学連携インキュベータ・ ながさき出島インキュベータ |
上記のインキュベーション施設は一部で、企業が提供している施設を合わせるとさらに選択肢があります。
それぞれのインキュベーション施設によって特徴が異なるので、事業に合う施設を探してみてください。
インキュベーション施設についてよくある質問
インキュベーション施設についてよくある質問をまとめました。
インキュベーション施設を利用する前に疑問点を解決しておくと、スムーズに申請を行えます。
インキュベーション施設に入居可能な期間は？
インキュベーション施設の入居可能な期間は、原則1年と定められています。
しかし施設によっては3〜5年の延長が可能なため、長期的に利用したい方は延長可能かを確認しましょう。
インキュベーション施設に補助金はある？
インキュベーション施設を利用する起業者に対する補助金はありません。
インキュベーション施設の補助金は、サービスを提供する企業に対するものです。
そのため費用を抑えてインキュベーション施設を利用したいなら、自治体の施設がおすすめです。
インキュベーション施設とレンタルスペースの違いは？
インキュベーション施設とレンタルスペースの違いは、起業や経営に関するサポート・アドバイスを受けられるかです。
インキュベーション施設は安くオフィスを借りられるほか、専門家からのアドバイスを受けられます。
しかしレンタルスペースはオフィスの貸出が主なため、これから起業する方や事業拡大を目指す方は不安を感じるかもしれません。
ただしインキュベーション施設は自由度が低い反面、レンタルスペースは設備の変更など自由度が高い点がメリットです。
起業に必要なオフィスの貸出という点は同じですが、それぞれメリット・デメリットがあるので自分に合うサービスを利用しましょう。
インキュベーション施設 まとめ
インキュベーション施設は、これから起業する方や事業拡大を目指す方におすすめの施設です。
インキュベーションマネージャーから経営のアドバイスや指導を受けられるので、今後の課題や解決策を見つけやすいでしょう。
またオフィスの賃料も安く済むため、予算のある方や費用を抑えたい方に向いています。
インキュベーション施設は自治体のほかに大学や企業も提供しているので、事業内容に合う施設を探してみてください。