仙台市は、「牛タン、ずんだもち、笹かま・・・」など美味しい食べ物が浮かんできます。
でも、「仙台市の企業誘致」といわれると、どんなことをしているのかわかりません。
そこで仙台市の自治体職員に、仙台市の魅力や企業誘致の取り組みについてインタビューしました。
仙台市の企業誘致にご興味のある方は必見です。
仙台市の基本情報
仙台市ってどんな街?
【編集者】
仙台市はどんな街ですか?
【自治体職員】
仙台市は、109万人を超える人口を擁する東北地方で唯一の政令指定都市です。
広瀬川が流れるみどり豊かな街並み、自然と調和した居心地の良い、そして高度な都市機能がコンパクトに集積する都市空間が、「杜の都」といわれる仙台市の一番の魅力です。
また、仙台市内は地下鉄が南北線、東西線と十文字に通っていて交通機関が充実しています。
平均通勤時間は東京の6割程度、地下鉄の沿線地域なら都心部までおおむね30分以内で通勤できます。
首都圏と比べて物価も低い水準となっており、特に住宅の家賃は東京の半分以下という調査結果が出ています。
【編集者】
住環境がとても充実していて、働きやすい、暮らしやすい街という印象が大きいですね。気候はどうですか?雪は積もりますか?
【自治体職員】
仙台市は一年を通して過ごしやすい気候です。夏でも最高気温が35℃以上の猛暑日は少なく、また冬も晴れの日が多く真冬日となることは稀です。
積雪も年に数センチが数回程度、多く積もっても10センチ程度と東北地方としては少ないです。
また、山や海でのレジャーも非常に身近です。市の中心部から30分~1時間でどちらにも行くことができます。
【編集者】
夏は海水浴やサーフィン、冬はスキーやスノーボード、温泉など、思い立ったらすぐに行ける環境が整っているんですね。羨ましいです!!
【自治体職員】
ほかにも市民参加型のイベントが多いことも仙台の特徴と言えます。
有名な七夕まつりを始めとして、仙台・青葉まつり、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、SENDAI光のページェントなど市民参加も可能なイベントが年間を通じてたくさんあり、市民を楽しませています。
【編集者】
夏も冬も楽しいイベント盛りだくさんで本当に楽しそうですね!
仙台市は「街並みが綺麗だと思う政令指定都市ランキング1位」にも輝いているので、都会的な雰囲気の中にも緑がある「杜の都」に是非訪れてみたいです!!
仙台市の企業誘致
【編集者】
ここからは仙台市の企業誘致について伺っていきます。
現在、仙台市の企業誘致において最も注力している産業は何ですか?
【自治体職員】
仙台市では、7つの分野に対して助成制度を設けておりますが、その中でも特にソフトウェア業やデジタルコンテンツ業といった「ICT関連産業」や、リスク分散などの観点を踏まえた企業の「本社機能・バックオフィス」、また、2024年度に本格稼働する次世代放射光施設「ナノテラス」をはじめ、東北大学など充実した研究開発環境を強みとして「研究開発拠点」の誘致に注力しています。
【編集者】
企業誘致の助成制度について教えてください。
【自治体職員】
仙台市では、新規投資に係る固定資産税等相当額を3年間~5年間にわたり交付する助成制度を設けています。
企業の立地に向けた土地や建物の取得のほか、もちろんオフィスの賃借にも対応しています。
また、雇用者数に応じて助成額を加算するなど、新たな事業展開を強力にバックアップします。
◎企業立地に関する助成金制度、進出企業インタビューなどを紹介しています。 【掲載URL】仙台市企業進出ガイドhttps://www.city.sendai.jp/invest/
【編集者】
仙台市では、7つの分野に対し助成制度を設けていて、雇用者数に応じて助成額を加算したりと工夫をされているんですね!
【自治体職員】
企業立地の助成金制度のほかにも、円滑な人材確保に向けて、教育機関への訪問同行やハローワークと連携した会社説明会の開催などをご提案しています。
また、オフィス物件等の不動産情報を紹介するなど、企業のニーズを踏まえたテーラーメイドのサポートを行っています。
【編集者】
企業の進出に際し、きめ細やかなサポートが受けられるんですね。立地を検討する企業にとっては大きなメリットであり、心強いですね!
仙台市へ企業進出するメリット
【編集者】
仙台市で進出企業するメリットは何ですか?
【自治体職員】
まず1つ目は、首都圏からのアクセスの良さです。
東京からは新幹線「はやぶさ」で最短90分と、日帰りのビジネスにも快適な環境となっており、本社との密な連携やトラブル発生時の迅速な初動対応が可能です。
仙台駅からも、南北線・東西線の2本の地下鉄があるので、都心からの移動もスムーズです。
BCPの観点からも、ぜひ仙台市をお選びいただきたいです。
【編集者】
東京駅から新幹線に乗ると、あっという間に仙台という感じがします。
出張での移動が楽で、ビジネスの時間が十分に確保できますね!
【自治体職員】
2つ目の特徴は、何と言っても若手人材が豊富であることです。
仙台市民のうち、20~30歳代の人口は25万人を超えており、人口に占める割合も24%と、他の主要都市と比べても高い数値となっています。
また、15~64歳のいわゆる生産年齢人口でみても、約67万人、人口に占める割合は63%以上と非常に高くなっています。
【編集者】
仙台市は学生が多い印象ですが、どのような教育機関があり、どんな分野を学ぶ学生が多いですか?
【自治体職員】
仙台は東北地方から若い学生が集まる街です。
「学都(がくと)」の名にふさわしく、大学、高専、専門学校など多くの高等教育機関があり、毎年優秀な人材が卒業しています。
仙台都市圏には111校の高等教育機関が集積し、学生数は80,000人以上。特に理工系の大学・専門学校の数が多く、最先端の技術を学んだ学生が多いことが特徴です。
また、仕事に真摯に向き合い、粘り強くやり遂げることなど、他の地域から立地した企業からも非常に高く評価されています。
【編集者】
仙台市は若い人の割合が高く、また高等教育機関が集積していて、人材採用には大きなメリットがありそうですね!
仙台には、今年で創立117周年を迎え、多くの研究者が集まる東北大学がありますよね。
【自治体職員】
東北大学は、民間企業との共同研究を積極的に行っており、世界的に卓越した研究成果を生み出しながら、その成果に基づくイノベーションの創出に取り組んでいます。
青葉山新キャンパスには産学官金が集結し、社会価値創造を行う場として「東北大学サイエンスパーク」を整備中です。
2023年9月には、東北大学が国際卓越研究大学第1号候補に選定されました。日本政府による10兆円規模の「大学ファンド」の運用益から年間約100億円の助成を受けることで、世界トップレベルの研究力を目指しています。
仙台市は、東北大学と包括連携協定を締結しており、企業誘致の推進のほか、グリーン未来社会の実現、次世代放射光施設を活用した「サイエンスパーク型研究開発拠点」の整備やスーパーシティ構想によるイノベーション創出などについて、協力・連携していくこととしています。
【編集者】
仙台市の充実した研究開発環境は、拠点を検討する企業にとっては大きな魅力ですね!
産学連携の実現のほか、ベンチャー、スタートアップとの協業などにより、新たなビジネスチャンスの獲得も期待されますね!
Mission!仙台市で進行中の大規模プロジェクトとは?
【編集者】
仙台市で今、ビックプロジェクトが進んでいると伺いました。とっても気になります!教えていただけますか?
【自治体職員】
仙台市で進んでいる大規模なプロジェクトを2つ紹介いたします。
1つ目は、2019年からスタートした「せんだい都心再構築プロジェクト」です。
このプロジェクトは、都心部の機能強化を目的として、老朽化した建物の更新を契機に、新しく供給される高機能なオフィスフロアを増やし、企業拠点の誘致、集積を図るものです。
プロジェクトの開始以降、多くの企業の皆様に仙台都心への拠点の開設を決定いただいています。
2023年11月には、プロジェクトの第1号となる「アーバンネット仙台中央ビル(NTT都市開発株式会社)」が竣工。これまでにプロジェクトを活用した5つの物件を発表しています。
今後に向けて、新たな床需要の創出も期待されることから、2023年度末としていたプロジェクトの施策期限を2030年まで延長しました。
当初は仙台駅周辺に集まっていた開発が、徐々に面的に広がってきており、「働く場」「楽しむ場」としての都市部を実現できると考えています。
次世代放射光施設 「ナノテラス」
【自治体職員】
2つ目は、次世代放射光施設「ナノテラス」です。
ナノテラスは世界最高水準の分析機能を持つ「巨大な顕微鏡」であり、モノの構造や機能をナノ(10億分の1)レベルで可視化することができます。
2024年4月に運用を開始し、情報通信デバイス、医療・生命科学、食品、環境・エネルギーなど様々な分野でイノベーションを生み出していくことが期待されています。
【編集者】
世界最高水準の研究施設が稼働するなんて、なんだかわくわくしますね!
【自治体職員】
仙台駅から地下鉄で約9分の東北大学青葉山新キャンバス内に立地しており、交通の利便性や東北大学敷地内という好条件から、本市では施設の運用開始を契機として仙台への研究開発拠点や関連産業の集積を促進し、ナノテラスを核としたリサーチコンプレックスの形成を目指しています。
【編集者】
まさに、仙台市にイノベーションが巻き起こりそうな予感がします!!
【自治体職員】
ナノテラスの特性を活かした革新的技術による新製品市場の創出や地場企業の新事業展開、産学官金連携による研究開発の進展などが期待されることから、本市への進出により様々な企業等と連携することができ、社会課題解決につながる新技術や新たな価値の創造など多くのビジネスチャンスにつなげることが可能となります。
【編集者】
せんだい都心再構築プロジェクトの進展をはじめ、ナノテラスの本格稼働を間近に控えるなど、仙台市では現在、大規模なプロジェクトが進行中です。
東北の中心都市として、さらなる成長を掲げる仙台市の取り組みに、これからも注目していきたいと思います。
仙台は、首都圏からのアクセスも良く、若くて優秀な人材確保もできます。また、大都市でありながらも都市全体が緑に囲まれ、住環境が充実していることが魅力だと感じました。
もちろん、休日はプロスポーツ観戦においしい牛たん、温泉や宮城の地酒など、プライベートも満喫できそうですね!
本日は貴重なお話ありがとうございました!